AGA治療薬「ザガーロ」とは?効果や副作用は?価格はどれくらい?

※一部プロモーション広告を含んでおります

ザガーロはイギリス生まれのAGA(男性型脱毛症)の治療薬で、日本では2016年から販売が開始された新しい医薬品です。プロペシアよりも効果が期待できる内服薬として注目されていますが、一方で副作用の発症率や胎児への影響などが指摘されています。
今回は、ザガーロとはどんな薬なのか、価格の相場や服用に向いている人、副作用の発症率や注意点などについて紹介します。

ザガーロとはどんな薬?

ザガーロとは?※写真はイメージです
ザガーロは、グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)によって開発されたAGA治療の内服薬です。有効成分は「デュタステリド」で、薄毛や脱毛を引き起こす男性ホルモン生成に関わる2種類の還元酵素に作用することでAGA改善が期待できると考えられています。国内では2015年に厚生労働省から製造販売の承認を受け、2016より発売がスタートしました。詳しくは後述しますが、AGAの代表的な治療薬プロペシアよりも効果が期待できるとして注目されているAGA内服薬です。なお、ザガーロはドラッグストアなどでは購入できず、購入には医師の処方箋が必要となります。

ザガーロの価格の相場は?

価格の相場
ザガーロの価格は、クリニックにもよりますが1箱9,000円程度~10,000円程度となっています。6,000円程度で購入できるプロペシアと比較すると1.5倍ほど高く設定されているのが特徴的です。ザガーロは2016年より国内販売された新しい医薬品のため、国内ではジェネリック医薬品が販売されていません。現時点では、ザガーロの特許満了後に厚生労働省の承認が得られるジェネリック医薬品の開発・販売が待たれている状況といえます。なお、海外製のザガーロのジェネリック医薬品は存在するものの、国内では未承認となっています。個人輸入サイトなどで販売されている場合もありますが、海外製の医薬品の中には偽商品が混ざっていたり、服用後に思わぬ健康被害が生じたりするリスクがあるためおすすめできません。

また、デュタステリドが配合されている「アボルブ」にも注意が必要です。アボルブは前立腺肥大症の治療薬として2009年に厚生労働省から承認された医薬品で、有効成分や添加物などがザガーロとほとんど同じといわれていますが、AGA治療薬としては承認されていません。アボルブはザガーロよりも1割程度安価な価格で流通していますが、治療の用途を無視して服用し重篤な副作用が生じた場合、医薬品副作用による健康被害を救済する国の制度「医薬品副作用被害救済制度」が適用されない恐れがあります。

ザガーロの効果・効能

ザガーロの効果・効能
ザガーロは、AGAを引き起こすとされる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成に関わる5α還元酵素を阻害する作用があります。5α還元酵素を阻害することでDHTの生成が抑制され、脱毛や薄毛を改善する効果に期待できると考えられています。5α還元酵素の阻害といえばプロペシアの作用として有名ですが、プロペシアの有効成分であるフィナステリドが5α還元酵素のⅡ型のみに働きかけるのに対し、ザガーロの有効成分デュタステリドはⅠ型とⅡ型に働きかける性質があります。Ⅰ型とⅡ型は存在する頭皮のエリアが異なり、Ⅰ型は後頭部分や側頭部分に、Ⅱ型は頭頂部分や前頭部分に多数あるといわれています。ザガーロには2タイプの5α還元酵素を阻害する作用があるため、より沢山の脱毛・薄毛症状を改善する効果が期待されています。

また、ザガーロには半減期が長いという特徴もあります。半減期とは「血液中に残る薬の成分の濃度が半分に減るまでの時間」を指しますが、プロペシアの半減期が約4時間なのに対しザガーロは2週間といわれています。ザガーロは半減期が長い分、DHTを抑制する効能が持続しやすいとも考えられています。

ザガーロでの治療に向いている人

ザガーロでの治療に向いている人
ザガーロでの治療に適しているのは、AGAを患う成人男性やプロペシアで効果が実感できなかった場合です。一方で、ザガーロを服用してはいけない人もいます。ここでは、ザガーロでの治療に向いている主な人やケースについて紹介します。

AGAに悩む成人男性

ザガーロは、AGAを改善したい20歳以上の男性にのみ適用される医薬品です。未成年や女性に対しては安全性が確立されていないため服用が禁じられています。また、円形脱毛症などAGA以外が原因と思われる脱毛症には適用されません。

プロペシアで効果が実感できなかった人

上記でも触れたとおり、プロペシアは5α還元酵素のⅡ型にのみ作用しますが、ザガーロはⅠ型とⅡ型に作用します。ザガーロは幅広い薄毛症状の改善効果が期待できるともいわれていますので、プロペシアで効果があまり実感できなかった場合はザガーロの服用も考えてみましょう。

副作用の発症率はプロペシアよりも高い?

ザガーロの副作用
医薬品解説書のひとつとして知られる医薬品インタビューフォームによると、プロペシア錠による副作用の発症率が0.5%なのに対し(2016、改訂第14版)、ザガーロ錠は17.1%と報告されています(2016年、第3版)。ザガーロの副作用として挙げられているのは男性機能の減退や肝機能障害、乳房障害や抑うつ症状などです。

ザガーロの正しい飲み方・時間帯

ザガーロの正しい飲み方・時間帯
ザガーロは1日1錠服用します。食前や食後に関係なく服用できますが、24時間おきの服用が推奨されているため、「朝食後」や「夕食後」など時間帯を決めて飲むようにしましょう。

正しい保存方法

正しい保存方法
ザガーロは湿気や高温を避け、直射日光が当たらない場所に保存します。紫外線や湿気、破損などを避けるためPTP包装のまま保管しましょう。また、ザガーロの服用が禁じられている未成年者や女性が誤って服用したり触れたりしないよう、保存場所にも注意してください。

ザガーロの注意点

ザガーロの注意点
ザガーロを服用するにあたっては、胎児への影響や経皮吸収などに気を付ける必要があります。ここでは、ザガーロの主な注意点について4点紹介します。

1.経皮吸収と男子胎児への影響

デュタステリドは皮膚からも吸収される性質があるため、ザガーロの服用が禁じられている女性や未成年が触れることがないよう注意してください。特に、妊娠中の女性の体内にデュタステリドが入り込むと男子胎児の生殖器官などの発達に悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠中だけでなく妊娠の可能性のある女性、授乳中の女性についてもデュタステリドに触れることがないよう配慮してください。錠剤から漏れた薬剤に触れてしまった場合は、ただちに石鹸と水で洗い流してください。

2.肝機能障害がある場合

デュタステリドは肝臓で代謝されるため、肝臓に障害がある人が服用した場合血中の薬物濃度が高まる恐れがあります。肝臓障害を患っている人や肝機能が弱い人は服用前に必ず主治医に相談してください。

3.服用中は献血できない

ザガーロを服用している期間は献血ができません。ザガーロは血中の薬物濃度が下がるまでに時間がかかるため、服用を中止しても最低6か月間は献血を避ける必要があります。

4.前立腺がん数値への影響

ザガーロには、前立腺がん診断時にチェックする前立腺特異抗原(PSA)値を本来の測定値より半分程度下げる作用があることが分かっています。前立腺がんの検査を受ける際は、ザガーロを服用していることを事前に申し出てください。

AGA治療薬「ザガーロ」まとめ

AGA治療薬「ザガーロ」まとめ
ザガーロは、AGAの発症にかかわる2種類の還元酵素に作用する医薬品です。より多くの薄毛・脱毛症状の改善に期待できるといわれていますが、副作用や取り扱いに注意が必要です。ザガーロを正しく服用してAGA治療に活用してくださいね。