髪の生え変わりを示す「ヘアサイクル」とは?AGAとの関係や改善方法を紹介

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ヘアケアやAGA治療において、必ずと言っていいほど言及されるのが「ヘアサイクル」です。ヘアサイクルは毛髪の生え変わりの周期のことで、AGAとも関連性があります。ヘアサイクルを理解することは、毎日の毛髪ケアだけでなくAGA治療にも役立つでしょう。

今回は、ヘアサイクルの詳細な段階やヘアサイクルの乱れ、AGAとの関係やヘアサイクルを整える方法などについて紹介します。

ヘアサイクルとは


ヘアサイクルとは、1本の毛髪が生えて成長し、自然に抜けて新たな毛髪に生え変わるまでの一定の期間のこと。「毛周期」とも呼ばれるほか、頭髪における新陳代謝ともいわれています。ヘアサイクルが正常な場合は1日に50本から100本近くの毛髪が自然に抜け、抜けた毛髪の毛根では新しい髪の毛が育ち始めています。

ヘアサイクルに見られる3つのフェーズ

ヘアサイクルには、「成長期」「退行期」「休止期」と呼ばれる3つのフェーズ(段階)があります。ここでは、ヘアサイクルに見られる3種類のフェーズについて紹介します。

成長期

ヘアサイクルの始まりの段階で、毛根で新しい毛髪が生成されて成長する期間を指します。この時期は毛乳頭の周辺に存在する毛母細胞の働きが活性化し、毛髪が太く長く成長していきます。正常な場合、毛髪は1日当たり0.3㎜から0.5㎜程度伸びると考えられています。また、発毛している髪の9割が成長期に入っているといわれています。

退行期

成長期が終わったあとに訪れる段階です。毛母細胞から毛乳頭細胞が分離することで栄養などが行き届きにくくなり、毛髪の成長が滞っていきます。退行期の髪の毛は頭髪全体の0.1割程度を占めると考えられています。

休止期

毛髪の成長がストップする段階です。この時期は毛乳頭細胞の活動がさらに弱まり、栄養などが届かなくなることで毛髪が育成されなくなります。休止期を迎える髪の毛の割合は頭髪全体の1割から2割程度とされており、休止期が終わると毛乳頭細胞が再び働き始め、次の成長期に入っていきます。休止期の古い毛髪は新しく生成された毛髪に押し出されるようなイメージで抜けていき、ひとつのヘアサイクルが終わります。

ヘアサイクルは乱れることがある?


ヘアサイクルには一定の規則性があり、成長期は3年から5年程度、退行期は2週間から3週間程度、休止期は2か月から3か月程度とされています。正常時はこれらの期間を経て次のヘアサイクルに移行していきますが、何らかの要因でこの周期が乱れることがあります。ヘアサイクルの乱れで最も顕著な症状は「成長期が短くなる」ことです。毛髪の成長期が短くなると髪の毛が太く長く育たなくなり、脆弱で短い髪の毛が増加します。また、通常より早く次の退行期や休止期を迎えるため、髪が十分に成長しないうちに抜けていってしまいます。ヘアサイクルが正常であれば休止期の毛髪と入れ替わるように新しい髪の毛が生えてきますが、サイクルが乱れると次の毛髪を生成する準備が整っていないため、発毛しにくく薄毛につながります。

AGAもヘアサイクルの乱れに関係している?

ヘアサイクルの乱れには様々な原因がありますが、AGAもそのひとつと考えられています。AGAの発症には男性ホルモンの一種「テストステロン」が還元酵素「5αリダクターゼ」と結びつくことで生成される「ジヒドロテストステロン(DHT)」が関与していますが、このDHTにはヘアサイクルを不安定にさせる働きがあります。DHTが毛乳頭細胞内に存在する受容体と結合すると抜け毛が促進し、ヘアサイクルの成長期が縮小されて健康な毛髪が育ちにくくなります。

ヘアサイクルが乱れるAGA以外の原因は?


AGAの他にも、血流や食生活などが影響してヘアサイクルが正常に循環しなくなる場合があります。ここでは、ヘアサイクルが乱れるAGA以外の原因について紹介します。

1.食生活

ヘアサイクルの乱れには食生活が関係しています。特に、毛髪の成長に必要なたんぱく質や亜鉛、ビタミン類が不足すると毛髪に栄養が届きにくくなり、ヘアサイクルの悪化にもつながります。

2.血流

毛髪に必要な栄養は、血流を通って頭皮の細胞に運ばれます。血液の流れが滞ると髪の毛に不可欠な栄養素が運ばれにくくなり、髪の栄養不足やヘアサイクルの乱れを引き起こします。

3.睡眠不足

毛髪の成長には「成長ホルモン」が大きく関与しており、この成長ホルモンが多く分泌されるのが就寝中だといわれています。睡眠不足に陥ると成長ホルモンの分泌量が低下するため、毛髪の生育が阻害されヘアサイクルも安定しにくくなります。

4.過剰なストレス

過剰なストレスは交感神経を活発にさせます。交感神経が活発になると血管が縮まって毛髪に対する栄養が届きにくくなり、薄毛やヘアサイクルの乱れを誘発すると考えられています。

5.頭皮のトラブル

頭皮に雑菌が繁殖すると炎症を起こし、毛髪が生成されにくくなったりヘアサイクルが順調に巡らなくなったりします。雑菌の繁殖は、皮脂の過剰分泌や頭皮を清潔にケアしないことなどによって引き起こされます。

ヘアサイクルを整える方法はある?


ヘアサイクルの乱れは、AGA治療薬や日常生活における工夫によって改善することが可能といわれています。ここでは、ヘアサイクルを整え直す主な方法について5点紹介します。

1.DHTの抑制につながるAGA治療薬を使用する

DHTの作用によってヘアサイクルが乱れている場合は、5αリダクターゼの働きを阻害してDHT生成を抑制する「フィナステリド錠」や「デュタステリド錠」を服用する方法があります。DHTの生成が減ることで、不安定になったヘアサイクルの改善が期待できます。なお、双方ともに購入には医師の処方箋が必要になるため、まずはクリニックに相談してください。

2.毛髪に役立つ栄養素を摂取する

毛髪の健康やヘアサイクル改善には、髪の毛に役立つ栄養素を積極的に摂取することも重要です。上記で紹介したたんぱく質は肉類や魚類、豆類や卵などに多く含まれており、亜鉛は牡蛎やナッツ、豚レバーなどを食べることで効率的に摂取できます。ビタミン類については、納豆やにんにくなどに多く含まれるビタミンB2やB6が頭皮の代謝に役立ちます。

3.血流を促進させる

血流を促進させると頭皮に栄養が運ばれやすくなるため、毛髪の成長に役立つと共にヘアサイクルの改善にも近づきます。頭皮をマッサージするほか、血行促進作用がある「ミノキシジル」が配合された外用薬を使用するという方法もあります。

4.生活習慣の改善やストレス発散

成長ホルモンの分泌を促すために質の良い睡眠をとったり、血流の悪化を防ぐために適度に運動をしたりなど、生活習慣を見直すこともヘアサイクル改善対策のひとつとされます。また、適度にストレスを発散させてできるだけ交感神経を優位にさせないことも重要です。

5.頭皮をケアする

頭皮の炎症につながる雑菌を増殖させないよう、頭皮を清潔に保ちましょう。シャンプーする際は「地肌を洗う」ことを意識し、ゴシゴシこすり洗いするのではなく地肌をマッサージするように洗うことがポイントです。

まとめ

ヘアサイクルが正常に循環することは「毛髪が健康に育つ必須条件」といっても過言ではありません。ヘアサイクルの乱れは生活習慣やヘアケアを見直すことで改善に向かいますが、原因がAGA(DHT)の場合はできるだけ早く医師に相談し、投薬も含めた治療を検討してくださいね。