ザガーロの国産ジェネリックの販売がスタート!製造販売会社や価格は?

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AGA治療薬のひとつ「ザガーロ」は新しい治療薬のため先発品のみが流通していましたが、2020年秋より厚生労働省が承認した国内正規の後発医薬品(ジェネリック)の販売が開始されました。ジェネリックは先発品と同等の効果が期待できるだけでなく、価格が抑えられるというメリットもあります。

今回はザガーロのジェネリック医薬品について、販売までの経緯や価格、服用時の注意点などについてお伝えします。

ザガーロとは

ザガーロは、イギリスのグラクソ・スミスクライン株式会社によって開発されたAGA治療薬です。主成分はデュタステリドで、AGAを引き起こすジヒドロテストステロン(DHT)の生成に関わる還元酵素「5αリダクターゼ」を阻害する働きがあります。5αリダクターゼの阻害といえばプロペシアをはじめとしたフィナステリド錠が有名ですが、フィナステリドとデュタステリドでは作用する5αリダクターゼのタイプが異なります。

5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型は後頭部と側頭部に、Ⅱ型は頭頂部と前頭部に多く存在すると考えられています。フィナステリドはⅡ型のみに作用しますが、デュタステリドはⅠ型とⅡ型に作用します。このため、デュタステリドを配合するザガーロの方がより広範囲の薄毛に対応できるとして注目されています。

ザガーロの国内ジェネリックの販売について

ザガーロは2015年9月に厚生労働省の承認を取得し、2016年6月から国内での販売がスタートしました。その後は特許などの関係で開発会社のみが販売していましたが、独占販売期間の終了に伴い、2020年10月に東和薬品などが製造した「デュタステリド錠」がザガーロのジェネリック医薬品として厚生労働省の承認を受け、翌11月より発売されています。

ザガーロジェネリックは先発品の主成分であるデュタステリドを配合すると共に、ザガーロと同等の効果が期待できます。また、先発品の価格が30カプセル 10,500円程度なのに対し、ジェネリックは30カプセル 7,000円程度と割安に設定されているのもポイントです。

ザガーロをより安値で入手する方法としては、海外製のデュタステリド錠を個人輸入サイト経由で購入するケースが挙げられます。しかし個人輸入で入手した医薬品には粗悪品や偽造品が混在したり、思わぬ健康被害が出る恐れが指摘されています。また、個人輸入の医薬品で重篤な健康被害が出た場合、国が治療費を負担する「医薬品副作用救済制度」の対象外となるためリスクが大きいとされています。

ザガーロの国内正規ジェネリックの誕生によって、より安価かつ安全にデュタステリド錠を利用できるようになったといえます。

ザガーロジェネリックの値段や量は?

ザガーロの国内正規ジェネリックは次の4社から販売されています(2021年4月現在)。いずれも厚生労働省の承認日は2020年10月5日。なお、クリニックによって取り扱う製品や包装タイプが異なる場合があります。

デュタステリドカプセル0.5mgZA「トーワ」

製造販売 東和薬品株式会社
内容量 30カプセル・150カプセル(PTPシート)、30カプセル(ボトル)
価格目安 30カプセル:7,000円程度、150カプセル:35,000円程度
特徴 ザガーロの国内ジェネリック第一号ともいえる医薬品で、2020年10月13日から販売が開始されました。ピンク色のカプセル剤で、ザガーロより比較的小さいため、飲みやすくなっているのが特徴です。包装はPTPシートとボトルの2タイプがあります。

デュタステリドカプセル0.5mgZA「サワイ」

製造販売 沢井製薬株式会社
内容量 30カプセル・150カプセル(PTPシート)
価格目安 (30カプセル)7,000円程度、(150カプセル)35,000円程度
特徴 2020年11月6日より販売がスタートした医薬品です。白色のカプセル剤で、「トーワ」と同じく先発品より若干コンパクトなサイズとなっています。包装タイプはPTPシートのみのようです。

デュタステリドカプセル0.5mgZA「MYL」

製造販売 マイランEPD合同会社
内容量 30カプセル(PTPシート)
価格目安 6,500円~7,000程度
特徴 2020年11月13日より販売か開始された医薬品です。薄い黄色を帯びた白色のカプセル剤で、シートタイプのみが主流とされています。

デュタステリドカプセル0.5mgZA「BMD」

製造販売 株式会社ビオメディクス(販売元)SKIファーマ株式会社
特徴 2021年1月24日に販売が始まった医薬品で、黄色がかった乳白色のカプセル剤が特徴的です。比較的新しく販売されたため、今後のクリニックでの取り扱いが期待されます。

ザガーロジェネリックの飲み方

ザガーロのジェネリック医薬品は、1日あたり1カプセルを水もしくはぬるま湯にて経口摂取します。食事の影響をほとんど受けないため好きな時間に服用できますが、24時間ごとの摂取が推奨されていますので、歯磨き前や洗顔前など大まかな時間を決めて服用しましょう。また、AGAの改善効果が実感できるまでに少なくとも半年間の連続的な摂取が必要とされています。

ザガーロジェネリックの副作用

ザガーロジェネリックの主な副作用は男性機能の減退や肝機能障害、抑うつ症状などで、先発品であるザガーロとほぼ同じ症状が起こりうると考えられています。上記の症状に限らず、ザガーロジェネリックを摂取して身体に異常があった場合は速やかに医師に相談してください。

服用時の注意点

ザガーロジェネリックを服用する際は、使用を禁止されている人がいる点や、薬剤が皮膚から吸収される点などに気をつける必要があります。ここでは、ザガーロジェネリックの主な注意点を4つ紹介します。

1.服用できない人

安全性や有効性の観点から、未成年や女性への投与は禁止されています。特に妊娠している女性が服用すると男子胎児の生殖器の生育に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。また、重度の肝機能障害を患っている人や、5α還元酵素を阻害する医薬品にアレルギーがある人も服用不可となっています。

2.経皮吸収に注意

ザガーロジェネリックの主成分デュタステリドは、皮膚から吸収される性質があります。妊婦さんなど服用禁忌となっている人と同居している場合は、薬剤が肌に触れることがないよう取り扱いに注意してください。

3.前立腺がん検査の数値に影響を与える

デュタステリド錠を6か月以上服用すると、前立腺がん検査でチェックするPSA(前立腺特異抗原)値が2分の1まで下がってしまいます。ザガーロジェネリックを服用中に前立腺がん検査を行う場合は、必ず担当医に報告してください。

4.服用中は献血できない

ザガーロジェネリックの服用中は献血ができません。デュタステリドは服用中止後も血中の薬物濃度が低下するスピードが遅いため、摂取を止めたあとも半年間は献血しないよう注意しましょう。

同じデュタステリド錠であるアボルブとの違い

「アボルブ」は前立腺肥大の治療薬ですが、ザガーロと同等のデュタステリドが配合されています。ザガーロより安価だったこともあり、目的外使用とはなるもののザガーロの代替品としてAGA治療に利用されるケースもあったようです。国産ザガーロジェネリックの販売開始によってAGAへの使用機会は減ると考えられますが、両者ともに薬品名が「デュタステリド錠(もしくはデュタステリドカプセル)0.5mg」と類似しているため注意が必要です。AGAに適用されるザガーロジェネリックには「ZA」、前立腺肥大に適用されるアボルブには「AV」の表記がありますので留意しておきましょう。

まとめ

ザガーロの国内正規ジェネリックの登場によって、今後はザガーロと同等の医薬品をより安価かつ安全に利用できるようになります。ザガーロの国産ジェネリックを適切に摂取して、AGA改善に役立ててくださいね。