ザガーロの初期脱毛について。2回目も可能性はある?

ザガーロは2016年に販売が開始された比較的新しいAGA治療薬です。薄毛の抑制効果がより期待できる薬として注目されていますが、服用後に毛髪が抜ける「初期脱毛」が起こるケースが確認されています。初期脱毛が起こると薬が効いていないのではないかと不安になりますが、初期脱毛はAGA治療におけるステップのひとつでもあるんですよ。

今回は、ザガーロや初期脱毛の仕組み、初期脱毛の期間などについてお伝えします。

ザガーロとは

ザガーロは、イギリスの製薬会社グラクソ・スミスクライン株式会社によって製造・販売されているAGA治療の内服薬です。主な成分は「デュタステリド」。デュタステリドには、AGAを引き起こす男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」を生成する5α還元酵素(リダクターゼ)の働きを阻害する作用があり、脱毛の抑制や発毛を促す効果が期待できると考えられています。DHTに働きかけるAGA治療薬としては「プロペシア」などのフィナステリド配合薬が有名ですが、フィナステリドが5α還元酵素のⅡ型に作用するのに対し、デュタステリドはⅡ型だけでなくⅠ型の5α還元酵素にも作用する性質を持っています。AGAにつながる2タイプの5α還元酵素を阻害するため、デュタステリドはフィナステリドの約1.5倍の発毛作用が期待できるとされています。

もともとデュタステリドは前立腺肥大症を治療する薬に配合されていましたが、副作用に増毛の症状が現れたことから薄毛治療にも使用されることになりました。ザガーロは日本では2015年に厚生労働省より製造販売の承認を取得、翌2016年より販売が開始されています。なお、ザガーロはドラッグストアなどでは販売されておらず、医師の処方に従って使用する必要があります。海外で販売されているデュタステリド配合薬を個人輸入することは可能ですが、偽の商品が届いたり、思わぬ副作用が生じるなどのリスクがあるためおすすめはできません。面倒でもクリニックを受診し、医師の処方と指導の下で服用しましょう。

初期脱毛とは


初期脱毛とは、AGA治療薬を使用し始めてから起こる抜け毛のこと。初期脱毛がなぜ起こるかについては後述しますが、AGA治療のステップのひとつとして現れる症状と考えられています。初期脱毛の症状が多くみられるのは頭頂部や生え際などで、もともと薄毛が気になっていた箇所に発症しやすいといわれています。また、かゆみや赤みなどが伴わないことも初期脱毛の特徴です。初期脱毛が現れ始める時期には個人差があり、服用後1週間ないし2週間程度で初期脱毛が始まる場合もあれば、服用して1か月程度で現れるケースもあるようです。

ザガーロで初期脱毛は起こる?初期脱毛が起こらない治療法はあるの?


ザガーロを服用することで初期脱毛が起こる可能性はあり得ます。ザガーロだけではなく、プロペシアやフィナステリド配合薬といった他の内服薬を服用した場合や、ミノキシジルといった外用薬を使用した場合でも初期脱毛が起こる可能性はあるといわれています。HARG療法やメソセラピーといった注入治療においても、起こりうるリスクのひとつとして初期脱毛の発生が挙げられている場合があります。また、自分の毛髪を移植する植毛についても、手術後2〜4週目ほどの時期に一時的な脱毛が起こることがあるようです。初期脱毛の発生には頭皮のコンディションや薬との相性が関係するともいわれているため、自分に合った治療を行うことで初期脱毛を起こりにくくしたり、症状を抑えたりすることが可能になるのかもしれません。

なぜ初期脱毛はおこる?


初期脱毛は、AGA治療薬が効果を発揮し始め、悪化していたヘアサイクルが改善されるために発症すると考えられています。ヘアサイクルには、新しい毛髪が成長する「成長期」、毛髪の成長が緩やかになる「退行期」、毛髪の成長が停止する「休止期」の3つの時期があります。ヘアサイクルが正常であれば成長期が2年~6年程度続きますが、AGAを発症すると成長期が数か月ないし1年程度までに短くなり、コシのある健康的な毛髪が育ちにくくなると考えられています。AGA治療薬を服用すると毛髪が成長期に入ろうとするため、弱い毛髪が抜けて新しい毛髪に生え変わっていくとされています。初期脱毛の後には太く強い毛髪が生えてくるといわれていますので、初期脱毛は「ヘアサイクルの立て直し時期」と捉えてプラスに受け取りましょう。

初期脱毛はいつまで続く?期間は?


初期脱毛が続く期間はおおよそ1か月~2か月程度といわれています。この期間中にAGA治療薬の効能が現れ始め、古く弱い毛髪が抜け新しい毛髪に生え変わりヘアサイクルが整い始めると考えられています。なお、初期脱毛が継続する期間には個人差があるため、人によっては2か月以上継続するケースもありますが、3か月以上続くことは少ないとみられています。

初期脱毛は2回起こることがある


初期脱毛は1回だけでなく2回起こる場合があります。特に1段階目の初期脱毛のあとで生えてきた毛髪が産毛のような弱々しい状態だった場合は、その弱い毛がもう一度抜けてより強い毛髪に生え変わると考えられています。2回目の初期脱毛もヘアサイクル改善の段階のひとつと捉え、焦らずに経過を見守りましょう。なお、産毛状の毛ではなくコシのある強い毛髪が抜け始めた場合は初期脱毛以外の理由が考えられますので、できるだけ早く医師に相談してください。

ザガーロ服用で初期脱毛が発症する確率は?


ザガーロで初期脱毛が起こる確率についてのデータは今のところ確認されていないようです。ザガーロに限らず、AGA治療薬の服薬による初期脱毛は「起こる可能性がある」という見解が一般的で、初期脱毛が発症する人もいれば初期脱毛が起こらない人もいると聞きます。上記でも触れましたが、初期脱毛が生じた場合の期間や脱毛量にも個人差がありますので、心配な場合は服用前にクリニックの医師に相談してみましょう。

ザガーロは他のAGA治療薬よりも初期脱毛は多い?


AGA治療薬ごとの初期脱毛の量の違いについては、明確な情報が乏しいためはっきりと分かっていないというのが現状です。また、初期脱毛は服用する治療薬との相性や服用量、頭皮の状態などと関連して起こるとも考えられていますので、自分の頭皮に合った治療薬を使用することが重要といえるでしょう。

ザガーロで初期脱毛が起きた場合の対処法


ザガーロ服用で初期脱毛が起こった際は、そのまま服用を続ける、生活習慣に気を付けるなどの対処方法があります。ここでは、ザガーロで初期脱毛が発生した場合の主な3つの対処法について紹介します。

1.服用を続ける

ザガーロによる初期脱毛は薬が効き始めたサインでもありますので、焦らず服用を続けることが重要です。服用を中止したくなったり服用量を減らしたくなった場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。

2.頭皮や育毛に良い習慣を心がける

初期脱毛が発生する期間はヘアサイクルが再建されている時期でもあります。のちに生えてくるであろう新しい毛髪が健康的に育つように、食生活を改善したり喫煙を控えるなど生活習慣を見直すこともポイントです。

3.医師に相談する

初期脱毛の量が多すぎたり、期間が長すぎるなど不安に感じる症状がみられた場合は医師に相談しましょう。その上でザガーロの服用を中止したり、他の内服薬や外用薬に変更する方法も検討してみてください。

まとめ

ザガーロ服用による初期脱毛は、ヘアサイクルの改善に関わる重要なステップと捉えることができます。脱毛の量や期間には個人差がありますが、症状が気になる場合は医師に相談しましょう。ザガーロを活用してAGA対策に役立てくださいね。