初期脱毛がないと効果が期待できない?AGA治療の嘘・本当

初期脱毛はAGA治療を始めて間もない時期に起きる抜け毛のこと。患者さんにとっては歓迎したくない症状ですが、「AGA治療薬の効果が出ているサイン」ともいわれているため、初期脱毛が起きないとかえって不安に思う人もいるようです。

今回は初期脱毛が起こらないケースに着目し、初期脱毛の有無が治療に与える影響や、初期脱毛が起こる人と起こらない人の違いなどについてお伝えします。

初期脱毛とは?


初期脱毛はAGA治療の初期に一時的に抜け毛が増える症状のことで、主にミノキシジルを使用した治療の過程で起こりやすいと考えられています。薄毛を改善したいのに脱毛量が増えるため、「治療薬の効果が出ていないのではないか」「薬の副作用ではないか」と思われがちですが、実際は治療薬が作用し始めたシグナルとして前向きに捉えられている症状です。

毛髪には生え変わりの周期(ヘアサイクル)があり、発毛して髪が成長する「成長期」、髪の成長が中断する「退行期」、髪が抜け落ちて新しい毛髪が生える準備をする「退行期」を繰り返しながら生成・成長します。AGAを発症するとこのサイクルが乱れるため、成長期に毛髪が育たず退行期や休止期を迎えたり、新しい毛髪が生えにくくなったりして薄毛につながります。AGA治療を開始することで乱れていたヘアサイクルが正常に戻ろうとしますが、新しい毛髪が生成される前に古く弱い毛髪が抜け落ちていきます。この症状のことを初期脱毛と呼び、治療開始後20日程度で発症し1~2か月程度続くと考えられています。初期脱毛期が終わると太く健康的な毛髪が生えてくるといわれているため、自己判断で服用を中止せず、医師に相談しながら治療を継続することが推奨されています。

初期脱毛がある場合はいつからはじまる?期間は?


初期という言葉からも分かるように、多くの場合AGA治療薬を使って1週間から2週間以内に初期脱毛が起こるものです。治療を初めて3ヶ月も4ヶ月も経ってから、いきなり脱毛が起きるということはありません。これほどの期間が経ってから起きる脱毛は、初期脱毛とは言えないでしょう。そのため、何ヶ月も経過してからの急激な脱毛は医師へ相談するようにしてください。

初期脱毛が起きないと効果が期待できないって本当なの?


AGAを治療する人の中には、初期脱毛が起こらなかった人や初期脱毛を自覚しなかった人もいます。初期脱毛はヘアサイクルが正常に戻ろうとする過程で起きるため、初期脱毛が起こらないと治療の効果が出ていないのではないかと心配するケースもあると聞きます。しかし初期脱毛の発症には個人差があるため、初期脱毛の有無が治療効果や発毛に影響を及ぼすわけではないと考えられています。初期脱毛が起こらなかったとしても不安に思う必要はありませんが、気になる場合は医師に相談してみてください。

すべての人に初期脱毛がおこるわけではない?おこる人とおこらない人の違いは?


初期脱毛の発症については治療方法の種類や個人差などが関係しています。

AGA治療の中で初期脱毛が起きやすいといわれているのは、主にミノキシジルを使用した治療です。ミノキシジルは毛母細胞や血行に働きかけることで発毛を促す効果が期待できる成分ですが、日本皮膚科学会による「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では「男女ともにミノキシジル外用初期に休止期脱毛がみられることがあり、患者への説明が必要」と記されています。ただし初期脱毛の有無は人によって異なり、ミノキシジルを使用した全ての人に初期脱毛が起こるわけではないようです。可能性のひとつとして「ミノキシジルの薬効に反応しやすい体質」が影響するのではないかという見解も見られますが、今のところ明確な要因は確認できていません。

なお、初期脱毛が起こらなかったと感じた人の中には「初期脱毛は起こっていたが自覚しなかった」ケースがあることも考えられます。初期脱毛期に抜ける毛量にも個人差がありますので、脱毛量が少ない場合は初期脱毛だと認識しなかった可能性もあります。

外用薬は初期脱毛が起こりにくい?初期脱毛がおこりにくい治療法は?


初期脱毛がおこりにくい治療方法としては、内服薬や自毛植毛などが挙げられます。ここでは、初期脱毛がおこりにくいAGAの治療方法について検証します。

1.フィナステリド錠・デュタステリド錠

AGA治療の内服薬で、AGAを引き起こす男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成を抑制する作用があります。ミノキシジルとは薄毛改善に対するアプローチが異なるため初期脱毛が起こる可能性は比較的低いと考えられていますが、人によってはヘアサイクルが整う過程で発症するケースがあるようです。また、ミノキシジルと併用して治療を行った場合も初期脱毛が起こる可能性があるといわれています。

2.注入治療

発毛に有効な成分を直接頭皮に注入する治療方法で、メソセラピーやHARG療法が有名です。投薬治療より効果が現れやすいとされていますが、正常なヘアサイクルに戻るプロセスで初期脱毛が起こるケースがあると考えられています。なお、注入治療で使用される有効成分にはミノキシジルや成長因子などがありますが、ミノキシジルを使用しない場合は初期脱毛が起こりにくいという見解もあります。

3.自毛植毛

自分の毛髪を薄毛の気になる箇所に移植する治療方法です。自毛植毛の場合、植毛部分ではなく植毛箇所の周囲の毛髪が抜ける「ショックロス」という症状が現れるケースがあります。ショックロスは移植手術の際のメスによる頭皮への負担や局部麻酔などが影響して起こると考えられていますが、個人差があるため全ての人に発症するわけではありません。

育毛剤は初期脱毛はおきないけど発毛もしない


育毛剤は頭皮に直接塗布する外用タイプの薄毛改善薬です。育毛剤による初期脱毛の有無や発毛の効果は、ミノキシジルが配合されているかどうかによって異なると考えられます。
そもそも薄毛改善の外用薬には、育毛剤のほかに発毛剤と呼ばれる製品もあります。育毛剤は医薬部外品に分類され、現在生えている毛髪のケアに適しているといわれています。対して発毛剤は医薬品に分類され、生えていない毛髪を発毛させて髪のボリュームを増やす作用があります。AGA治療に適しているのは発毛剤で、上記で紹介したミノキシジルも発毛剤に配合されています。育毛剤と発毛剤の違いについてはあまり認識されておらず、ミノキシジルが配合されていても育毛剤と表記されているケースもあります。ミノキシジルが配合されていない育毛剤を使用すれば初期脱毛は起きにくいと推察できますが、ミノキシジルほどの発毛効果を期待することは難しいと考えられます。

まとめ


初期脱毛はAGA治療のステップのひとつですが、発症には個人差があるため初期脱毛が起こらない人もいます。初期脱毛の有無が治療効果に影響を及ぼすことはないといわれていますので、発症しなくても心配せず、医師の指示に従いながらAGA治療を続けてくださいね。