シャンプーしたあとにタオルで髪の毛の水分を取ることを「タオルドライ」と呼びますが、タオルドライを誤った方法でおこなうと頭皮環境を悪化させ抜け毛や薄毛につながる恐れがあります。
今回は「タオルドライ」に焦点をあて、頭髪にダメージを与える拭き方や適切な手順、使用するタオルについてお伝えします。
そもそもタオルドライとは?
タオルドライは、「タオルで濡れた髪の水分を吸収させ、半分乾いた状態にする」ことを示します。毛髪を自然に乾燥させることも可能ですが、タオルを使ってある程度の水分を取ることで髪の毛に良い影響がもたらされます。例えば、髪は濡れている間にキューティクルが開き、傷みやすくなったり内部の栄養分が流出しやすくなったりしますが、タオルドライで水分を減らすことでそのリスクが軽減できます。また、タオルドライで髪を半渇きの状態にすることによってドライヤーの時間が短くなり、熱から毛髪を守ることにもつながります。
タオルドライが薄毛の要因に?注意したいタオルドライ例とは?
タオルドライは頭髪の健康に必要ですが、誤った方法でおこなうと頭皮や毛髪が痛んだり、抜け毛を引き起こしたりする恐れがあります。ここでは、注意したいタオルドライの例についてみていきましょう。
1.力を入れて拭く
ガシガシと力を入れて頭髪を拭くと、摩擦が生じて髪や頭皮にダメージを与える場合があります。また、こするように水分をぬぐうことで髪の毛がけん引され、脱毛しやすくなる恐れがあるともいわれています。
2.爪を立てる
タオルの上から爪を立てて頭髪を拭くと、頭皮に細かな傷がついて頭皮の炎症や抜け毛につながる可能性があります。
3.毛束を掴んで拭く
毛髪の束を強く握って拭いたり、ワシャワシャと頭部をかき乱すようにタオルドライしたりすると髪の毛の表面が傷む危険性があります。
4.タオルを巻いて放置する
ターバンのようにタオルを頭部に巻いたままにしておくと、残った水分によって頭皮に存在する常在菌が必要以上に繁殖し、脂漏性皮膚炎が生じるリスクがあると考えられています。脂漏性皮膚炎はフケや頭皮の赤みといった症状のほか、脱毛を引き起こす場合もあります。
適切なタオルドライの手順
タオルドライにおける重要点は「毛髪とタオルの摩擦を極力起こさないように注意すること」です。次に適切なタオルドライの手順を紹介しますので、上記のポイントを意識しながら試してみてください。
1.吸水性のあるタオルを用意する
タオルについて詳しくは後述しますが、使いやすく水分をよく吸収するタオルを準備しましょう。なお、髪の毛が長い人の場合、大判サイズのタオルを1枚使用するよりも小さめのタオルを2枚使った方がより早く水分をぬぐえるといわれています。
2.頭部をタオルで包み込み、頭皮の水分を吸収させる
タオルを頭髪全体にかぶせ、ポンポンと軽く指で押さえながら頭皮の水分を取っていきます。力を入れたり爪をたてたりせず、優しく押さえるのがポイントです。
3.毛先部分をドライする
タオルで毛先の部分を包み込んで、毛髪の先端に溜まった水分を吸収させます。力任せに髪の毛を絞ったり強く叩いたりすると摩擦が生じて毛髪にダメージを与える恐れがあるため、あくまでソフトな力加減で水分を取ることを心がけましょう。
なお、タオルドライはできるだけ時間をかけず、3~5分程度で手早くおこなうのが理想とされています。タオルドライ後はドライヤーを使って乾かしましょう。
使用するタオルにもこだわってみよう
タオル選びも適切なタオルドライのキーポイントといえます。タオルの素材や織り方によって吸水性や使い心地などが異なるため、自分に合うものをチョイスしましょう。
素材の種類
・コットン(綿)
コットンはアオイ科の植物から生成される「木綿」のことで、布製品の代表的な素材として有名です。天然の繊維なので地肌にも優しく、吸水性や吸湿性にも期待できます。耐久性がありメンテナンスしやすいという利点がある半面、シワになりやすい、乾きにくいといった一面もあります。
・ガーゼ
ガーゼはコットンの糸を粗く平織した生地のことで、医療アイテムとして生まれ現在はベビー用品を中心に広く普及しています。触り心地がふんわりと軽く、地肌に対する刺激が少ないという特徴があります。吸水性もありますが、生地が薄いためヘアドライ用としては3重以上に重なったものを選ぶことが推奨されています。
・マイクロファイバー
マイクロファイバーはポリエステルやナイロンなどから成る化学繊維のことで、その繊維の細さは髪の毛の100分の1以下といわれており、滑らかな手触りが特徴的です。また、繊維の表面が鋸歯のような形状になっているため吸水性にも優れています。一方で、耐久性に欠けたり、強くこすり過ぎると地肌や髪がダメージを受けやすくなったりするという側面もあります。
織り方の種類
・パイル織
糸をループ状に織る織り方のことで、タオルにおける最もベーシックな織り方とされています。生地の表面に凹凸ができることで弾力性や吸水性、保湿性などに優れています。水分の吸収を優先したい場合に推奨されています。
・ワッフル織
四角い凹凸が印象的な織り方で、お菓子のワッフルに似ていることが名前の由来となりました。触り心地が軽くて乾きやすく、吸水性にも期待できます。立体感のあるおしゃれな織り方で、糸が抜けにくいという特徴があります。
・シャーリング織
パイル織のループの先端をカットしたもので、リッチなツヤ感や滑らかな肌触りが特徴的です。毛先が引っかかりにくく扱いやすいといった利点がありますが、パイル織に比べると吸水性がやや低くなります。
・ジャガード織
模様を作るための織り方で、糸を複雑に織り上げることで美しい模様の入ったタオルが出来上がります。模様が入ることでラグジュアリー感がアップし、ホテルのタオルなどにも使用されています。
まとめ
タオルドライは普段何気なくおこないがちですが、頭髪の拭き方を意識することで頭皮や頭髪を守ることにつながります。タオルドライのやり方やタオルの選び方にも着目してみましょう。ぜひ参考にして頭皮や毛髪の健康に役立ててください。