AGAのオンライン診療ではジェネリックも購入できる?先発品より安いのはなぜ?服用する際の注意点は?

AGA治療ではジェネリック医薬品を使用することで費用の削減につながりますが、先発品との効き目の違いや安全性について懸念する人が多いようです。また、最近話題のオンライン診療でも購入できるか気になるという声も聞きます。

今回は、ジェネリック医薬品の概要やAGA治療薬のジェネリック、オンライン診療での購入や注意点についてお伝えします。

ジェネリック医薬品とは?先発品より安いのはなぜ?


ジェネリック医薬品は、新しく製造販売された医薬品(新薬)の特許満了後に販売される医薬品のこと。「ジェネリック(generic)」は「商標登録されてない」を意味し、「先発医薬品」と呼ばれる新薬に対して「後発医薬品」とも呼ばれています。ジェネリック医薬品は先発品と同じ有効成分が配合され、その有効性や安全性、品質に至るまでが先発品と同等とされています。

ジェネリック医薬品といえば「安い」というイメージがありますが、ジェネリックが先発品より安価である大きな理由は「開発コストが不要」という点にあります。

一般的に、新薬の開発や製造には15年程度の年月がかかり、資金が200億円を超えることもあります。これらのコストが薬の値段に反映されるため、新薬の価格は高めに設定されているのです。一方、ジェネリック医薬品はそれらのコストが不要なため、その分値段を下げることが可能になり、先発品と比較すると3割~6割程度安価に設定されています。

ジェネリック医薬品の効き目や安全性は?

ジェネリック医薬品は開発コストこそ不要ですが、製造販売するためには先発品の有効成分や製造方法などを用いるほか、厚生労働省が設ける一定の基準を満たし、同省の認可を受けなければ製造販売できません。

その基準の中には、身体に吸収される成分量や、薬の代謝時間なども含まれています。効き目や安全性に関しては、先発品の特許期間中に確認された症状例から成分の効き目や副作用などが確認されたと見なされるため、先発品と同じ有効成分で製造されているジェネリック医薬品についても同等の有効性や安全性が期待できるとされています。また、ジェネリック医薬品によっては、有効成分は先発品と同じでも味覚などに関わる添加物が異なる場合がありますが、添加物によって有効成分の効き目や安全性に影響を及ぼす可能性は極めて少ないと考えられています。

なお、大半のジェネリック医薬品は医師の処方によって購入することが可能です。

AGA治療薬のジェネリックにはどんな薬があるの?


AGA治療薬のジェネリック医薬品として知られているのは、「フィナステリド錠」「デュタステリド錠」、「ミノキシジル外用薬」です。次に、各医薬品の特徴について紹介します。

フィナステリド錠(「プロペシア」のジェネリック)

2005年に国内販売がスタートした「プロペシア」(MSD株式会社)のジェネリック医薬品です。「フィナステリド」とはプロペシアに配合されている有効成分のことで、AGA発症に深く関与する還元酵素「5αリダクターゼ」を阻害して薄毛を改善する作用に期待できるとされています。ジェネリック医薬品は2015年より販売が開始され、ファイザー株式会社や沢井製薬株式会社、東和薬品株式会社などが製造販売に乗り出しています。なお、プロペシアが28錠8,000円程度なのに対し、ジェネリック版のフィナステリド錠は同量4,000円程度となっています。

デュタステリド錠(「ザガーロ」のジェネリック)

2016年に国内販売が開始された「ザガーロ」(グラクソ・スミスクライン株式会社)のジェネリック医薬品で、「デュタステリド」はザガーロに含まれている有効成分のことを指します。プロペシアが5αリダクターゼのⅡ型のみに作用するのに対し、ザガーロはⅡ型に加えてⅠ型にも作用するためより広い範囲の薄毛に対応できるとされています。ジェネリック医薬品は2020年より流通がスタートし、東和薬品株式会社や沢井製薬株式会社などから販売されています。なお、ザガーロの価格は30錠10,000円程度で、ジェネリック版のデュタステリド錠は同量7,000円程度となっています。

ミノキシジル外用薬(「リアップ」のジェネリック)

薄毛の外用薬として有名な「リアップ」(大正製薬株式会社)のジェネリックです。「ミノキシジル」はリアップに配合されている有効成分のことで、毛母細胞を活性化して薄毛改善や発毛に期待できるとされています。リアップにはミノキシジルが1%配合された「リアップ」と、ミノキシジルが5%配合された「リアップX5プラスネオ」がありますが、より効果が期待できるのは後者の製品です。ジェネリックの販売が始まったのは2018年以降で、主な製造販売メーカーはアンファーやロート製薬、東和薬品など。大半が「リアップX5プラスネオ」と同じミノキシジル5%を配合しています。価格については、リアップ(X5プラスネオ)が60ml8,000円程度、ジェネリックは同量5,500円~8,000円程度となっています。

AGAのオンライン診療ではジェネリックも購入できる?


オンライン診療を実施しているクリニックの中には、先発医薬品のほかにジェネリック医薬品を取り扱っているところが多々あります。取り扱いの有無については、クリニックの公式サイト等に案内がありますので事前にチェックしておくと安心です。また、どのメーカーのジェネリックを提供しているかどうかはクリニックによって異なります。希望のメーカーがある場合は、あらかじめ公式サイト等で確認しておきましょう。

AGAのジェネリック医薬品を使用する4つの注意点

AGA治療薬のジェネリックを服用するにあたっては、添加物や使い心地、使用できない人がいることなどに留意しておく必要があります。ここでは、AGA治療薬のジェネリックを使用する際の主な注意点について4点紹介します。

1.添加物でアレルギーを起こす場合がある

ジェネリック医薬品は先発品と同等の有効成分が配合されていますが、添加物については異なる成分が含まれているケースがあります。人によっては添加物によってアレルギーが起きることがあるため、何らかのアレルギーを持っている場合は服用前に医師や薬剤師に相談してください。

2.使い心地が異なる場合がある

主に外用薬について、塗布薬の下地になる成分が先発品のものと異なると、テクスチャーや薬剤を塗った際の感覚などに違いが生じることがあります。医薬品としての効能はほとんど同じでも、使い心地に違和感があったり、先発品に比べて使いにくいと感じたりする場合もあるようです。

3.気になる場合は先発品にできるだけ近いジェネリックを選択

ジェネリックの中には添加物まで先発品と同じ成分を使用しているものがありますので、先発品とジェネリック医薬品の違いが気になる場合は、双方の成分表をチェックして配合されている成分ができるだけ同じものを選ぶという方法もあります。ただし、細かな製造方法などの関係もあって100%同じ製品と見なされるわけではないため、あくまでも参考程度に留めることが推奨されています。

4.成人男性以外は使用できない

フィナステリド錠、デュタステリド錠、ミノキシジル外用薬のいずれも先発品と同じく成人男性のみに有効性や安全性が確認され、未成年や女性は禁忌となっています。特にフィナステリド錠、デュタステリド錠は胎児に悪影響を及ぼす可能性が指摘されているため取り扱いに十分注意してください。ミノキシジルについては、女性用として濃度を薄めた外用薬が販売されています。

まとめ

AGA治療薬のジェネリック医薬品はオンライン診療でも購入可能です。どの医薬品を取り扱っているかはクリニックによりますので、事前に公式サイト等で確認しましょう。自分に合うジェネリック医薬品を選んで、AGA治療に役立ててくださいね。